創業明治三十八年
吉永酒造有限会社
温泉街である、鹿児島は指宿の地にて、本格芋焼酎「利八」を醸す蔵元
~仕込みからラベル貼りまで、手作業で、たったの3人で、100年以上細く永く続く蔵~
製造工程
ここでは、本格芋焼酎「利八」が出来るまでの、製造工程を説明します。
写真にカーソルを合わせると、写真付きの詳細な説明が見れます。
米の1日の使用量は、1袋30kg×10袋=300kgです。
弊社は全て国産のお米を使用しております。
回転させたり、温度を設定して、風を送ったり出来る、回転式ドラムの操作基盤です。
米の1日の使用量は、1袋30kg×10袋=300kgです。
米蒸
米蒸ドラムを使用して、洗米、浸漬し、蒸気を吹き込み、米を蒸します。
蒸した米を冷却し、種麹を散布して混ぜ合わせ、麹菌の胞子を全体に行き渡るようにします。
酒質の元となるいい麹を造るためにも、米蒸しは非常に重要な作業となります。
種麹には白麹・黒麹・黄麹の3種類があります。
一般的に、白麹はキレがあり、黒麹はコクと香りがあり、黄麹は軽快な味になる傾向があります。
米こうじの温度を安定させ、製麹を行います。
ドラムの下に置き、三角棚に米こうじを運び入れます。
奥の方にある亀壷へと、バケツで何度も行ったり来たりしながら、米こうじを移します。
米こうじの温度を安定させ、製麹を行います。
製麹
米蒸ドラムにて一晩寝かせ、木箱を用いて、三角棚と呼ばれる製麹装置に米麹を移します。
三角棚では、送風をかけ、温度を一定に保ち、麹の育ちやすい環境を作る事が出来ます。
製麹前半に麹菌を十分増殖させて酵素を生成させ、後半は温度を抑えて酸を生成させます。
酵素はデンプンをグルコースに、タンパク質やペプチドをアミノ酸に分解し、 酸はモロミの汚染防止に利用されます。
創業以来100年以上使い続けている亀壷です。水を溜め、米こうじをいれていきます。
水を溜めた亀壷に、酒母を入れ、米こうじを入れていきます。これを1次仕込みと言います。1日に2つずつ入れていきます。
白麹と黒麹です。並ぶと違いは一目瞭然です。仕込みの時期になると、甘~いモロミの香りが、蔵中を覆います。
創業以来100年以上使い続けている亀壷です。水を溜め、米こうじをいれていきます。
一次仕込み
100年以上使い続けている和甕に、水と米麹と酵母を加えて混ぜ合わせ、一次仕込みとなります。
仕込み水には、温泉街ならではの、微量の塩分を含んだ地下水を使っています。
温度に細心の注意を払いながら、1週間程発酵させ、酵母の増殖を図ります。この状態が一次モロミと呼ばれます。
製麹にて得られたアミノ酸は酵母の栄養源かつ香気成分となり、酵母はグルコースを利用してアルコール発酵を行います。
さつまいもは、南薩摩の大地の恵みです。
薩摩富士と呼ばれる開聞岳(かいもんだけ)とさつまいも畑。
ほんのり甘く、美味しいです。
さつまいもは、南薩摩の大地の恵みです。
芋蒸
南薩摩産のさつま芋を水洗いし、ベルトコンベア上で、両ヘタと痛んでいる部分を選定(切除)し、芋蒸機を使用して、蒸気で蒸します。
一般的に使用されている品種の黄金千貫などは食用としても美味しく食べる事ができます。
芋の種類によっても、芋の甘みが強い焼酎や、香りの高い焼酎など、様々な味の焼酎が出来ます。
芋釜の口を開けたところ
釜口の先にあるのは、芋の粉砕機。
白麹の2次モロミ(左側)は、綺麗なクリーム色をしています。右側のモロミは黒麹です。当たり一面、ほわんとバナナのようなフルーツ香が漂っています。
芋釜の口を開けたところ
二次仕込み
一次モロミに、水と蒸した芋を機械で砕きながら 混ぜ合わせて、二次仕込みとなります。
仕込後約2日間は甘藷の糖分を急速に消費して発酵が盛んに行われ、定期的にモロミからブクブクと泡が湧き立ち、滞留が起きます。
モロミに顔を近づけると、さつま芋の香りが強く感じられます。
初めは芋の甘みが強いモロミですが、9日程寝かせると、酸っぱく苦いモロミへと味が変化していきます。
右にモロミが入り、熱を入れることで、気化された蒸気が上の煙突のような筒から左側へと渡りを通り、蛇管を下り、冷やされることで液化し、焼酎となって垂れてきます。
蒸気を入れ、40分ぐらいすると、焼酎が垂れてきます。最初に垂れてくる焼酎は初垂れ(ハナタレ)と呼ばれています。
丸型フラスコ(赤くなっているところ)に、モロミを搾った液体が入ってます。
右にモロミが入り、熱を入れることで、気化された蒸気が上の煙突のような筒から左側へと渡りを通り、蛇管を下り、冷やされることで液化し、焼酎となって垂れてきます。
蒸留
蒸留とは蒸気で加熱してモロミを温める事により、アルコール分を蒸発させ、蒸気を集めて液体に戻し、アルコール度数の高い酒を得る事を言います。
最初は、アルコール度数65度~70度のとても濃い焼酎が蒸留され(初垂れ)、その後、約38度の本垂れといわれる香りや品質が安定した焼酎、最後に10度ぐらいの焼酎(末垂れ)まで、およそ2時間半程度で蒸留されます。
これを混ぜ合わせたものが原酒と呼ばれ、度数は35~40度近くあり、油性成分(フーゼル油)などが余分に入っているため白く濁った原料特性の強い焼酎が出来ます。
蒸留具合によっても酒質が変わってくるので、細心の注意を必要とします。
検定後、貯蔵された原酒を貯蔵します。寒くなってくると、写真のように油分が表面に固まりだすので、手で丁寧にすくい取り、ろ過します。原酒はアルコール度数で38度程度。
工場内にあるタンクです。1年分を3か月ほどで仕込み、このタンクに貯蔵されます。
工場外にある11kL入る貯蔵タンクです。
検定後、貯蔵された原酒を貯蔵します。寒くなってくると、写真のように油分が表面に固まりだすので、手で丁寧にすくい取り、ろ過します。原酒はアルコール度数で38度程度。
貯蔵
蒸留されたものを、検定・濾過し、貯蔵します。
当蔵では、採れたてのさつま芋を使用するため、さつま芋の収穫時期に合わせ、9~12月の間で1年分の量を製造し、貯蔵しています。
寒い季節になると、余分な油性成分が表面に浮き出てくるので、人の手で丁寧にすくい取り、品質向上に努めています。
一本一本手作業で、丁寧に想いを込めながら、瓶詰していきます。光で照らしながら、不純物が含まれていないか一本一本確認しながら作業します。
瓶詰された焼酎に、これまた手作業で一本一本ラベルを貼っていきます。
一本一本想いの詰まった焼酎は、ダンボールに梱包され、出荷されていきます。
一本一本手作業で、丁寧に想いを込めながら、瓶詰していきます。光で照らしながら、不純物が含まれていないか一本一本確認しながら作業します。
壜詰め~出荷
新酒は比較的味が荒い為、ある程度の熟成期間を経た後、味・香り・コク等を確かめつつ、 古酒とのブレンドバランスなど考慮して、各々の製品に仕上げていきます。
洗壜にも最大の注意を払い、異物の混入をチェックしながら壜詰めし、ラベル貼りに至るまで、 1本1本丁寧に丹精込めて手作業で行い、お客様の元へとお届けします。